1:コデイン 2:セレコキシブ 3:トラマドール 4:インドメタシン 5:アミトリプチン
問 213(物理・化学・生物)
追加された鎮痛薬はオピオイド受容体に作用する。オピオイド受容体には、内因 性リガンドとして、以下に示したメチオニンエンケファリンなどのペプチドが知ら れている。内因性リガンドと受容体との相互作用を考えたとき、追加された鎮痛薬 の受容体との相互作用及びファーマコフォアに関する記述のうち、誤っているのは どれか。1つ選べ。
https://www.molsis.co.jp/lifescience/moe/ph4/
ファーマコフォア:高分子が3次元的配置で相互作用や活性に重要な特性を持つような立体配置の概念。
1はコデイン、モルヒネと構造が似ている。
帝京大学薬用植物園管理室 木下武司http://www2.odn.ne.jp/~had26900/about_souyaku/morphine_syn-opioids.htmにオピオイドの構造式が記載あり。
Opioid receptor structure で検索ができる。オピオイド受容体の構造については、問題文のエンケファリンが見出されてから、オピオイド受容体のサブユニットやアゴニストの発見がなされてきた。創薬分野でオピオイド受容体の活性化構造を調べることが研究されてきた。
Crystal structure of the μ-opioid receptor bound to a morphinan antagonist
上の論文にμ受容体の構造の紹介とモルヒネ拮抗薬がμ受容体に結合するところが紹介されている。論文中の図3cを見ていただきたい。
1:D147のカルボキシル残基の-イオンとモルヒネの+NH3がイオン結合している。
2:文の通り
3:オピオイドのファーマコフォアではカルボキシ基はなく、エンケファリンにあるのはアミド結合。
4:オピオイドのフェノール水酸基の-OH…OH -と受容体とで水素結合している。
5:受容体のH297がイミダゾール基を持つため芳香族性をもち、オピオイドのベンゼン環とπ-π結合をする。
Elucidating the active δ-opioid receptor crystal structure with peptide and small-molecule agonists
上の論文ではアルギニンのグラニジノ基がオピオイドの構造変化に寄与していることを紹介している。
こちらの日本生化学会よりアルギニンに富む膜透過ペプチドの細胞内移行Journal of Japanese Biochemical Society 89(1): 8-14 (2017)
doi:10.14952/SEIKAGAKU.2017.890008という論文でアルギニンのグラニジノ基の有用性が紹介されている。